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「BricsCAD® アドオンアプリの中の人に聞く!」シリーズ:GEOPAX(ジオパックス)編

みなさんこんにちは、「BricsCAD(Bricsys)の中の人」です。
本記事は、Bricsys のアプリカタログに登録されている日本語対応アドオンアプリから、「アドオンアプリの中の人に聞く!」シリーズと題しまして、アプリの特徴や開発でこだわった点などについてインタビューしたものを紹介します。
DWG で 2D/3D どちらの設計もいけるワンプラットフォームな BricsCAD を活用して仕事の生産性アップのきっかけとなれば幸いです。

📄 要約

土木座標点ファイルの読み書きを BricsCAD にフリーでアドオンできるアプリ「GEOPAX」は、古い BricsCAD Lite/Classic からアドオンして使えるように BricsCAD の 高速な LISP を活用して開発された土木現場監督思いのアプリです。機械設計のアセンブリと BIM を一緒にできる BricsCAD にしかないユニークさなどの評価を頂きつつ、土木施工管理の現場に向けた生産性向上ソリューションを提供する 株式会社DOUBLE DROPS 高橋氏をインタビュー!


紹介するBricsCAD アプリと中の人

アプリ名: GEOPAX(ジオパックス)

GEOPAX(ジオパックス)の動作イメージ

✨アプリの中の人✨

株式会社DOUBLE DROPS
土木コンサルティング部 部長
高橋 純 さん
(以下、🧑高橋氏)

🎤インタビュアー🎤

Bricsys の中の人
(以下、👨‍💼中の人)

アプリの内容とこだわり

👨‍💼中の人: 本日はよろしくお願いします。
早速ですが、GEOPAX(ジオパックス)はどのような内容のアプリケーションなのでしょうか?

🧑高橋氏: GEOPAX は、土木現場で必要とされる「座標点作成」「座標ファイル読込」「座標ファイル書出」の機能をフリーで使用していただけるアプリになっています。

 無償公開している3機能で、図面に座標点を作成(任意の場所を指示して作成、またはCSV/SIMAファイルの座標をインポートして一括作成)し、尚かつ図面上の座標点をCSV/SIMAファイルに書き出すことができます。CSV/SIMAファイルはトータルステーションやGPS測量機などに直接読み込めるため、GEOPAX は現場とCADを相互にリンクさせる座標管理ソリューションとしてご利用いただけます。

引用:Bricsys アプリカタログ

👨‍💼中の人: なるほど、「GEOPAX」で土木の図面作成で使われる座標点の読み書きができるようになるわけですね。土木用の座標点作成というと、BricsCAD Pro に "土木ポイント" という名前そのままの機能があるのですが、それとは異なるのでしょうか?

🧑高橋氏: はい、土木ポイントは、AutoCAD Civil 3D とのデータ交換時には有用なのですが、BricsCAD Pro や AutoCAD Civil3D 以外ではプロキシ図形になってしまいます。土木ポイントは、土木コンサルさんなど上流の設計をされる方には便利だと思いますが、書き出し時に点がナンバリングされてしまうなど高機能過ぎてしまいます。
 「GEOPAX」では、我々が実際に現場で測量をしながら現場の意見を拾い、現場の監督さんにすぐに使ってもらえるものにしたいと考えて開発しています。よりシンプルに、BricsCADと合わせて購入頂きやすいように BricsCAD Lite/Classic からアドオンして使えます。

GEOPAXのターゲット説明図
土木設計ワークフローにおける
BricsCAD+GEOPAX のターゲット

👨‍💼中の人:なるほど、サポートされている BricsCAD のバージョンがずいぶん古いものからになっていましたが、現場の人の導入のしやすさや使いやすさを重視しているわけですね。

🧑高橋氏: 弊社は、土木の現場監督様の負担を軽減して本来の施工管理に専念する時間を産み出すことで、施工現場を余裕のある安全なものにすることを企業理念としています。「GEOPAX」もその理念の元に企画されたアドオンで、基本機能を無償公開した理由もそこにあります。

👨‍💼中の人: BricsCAD Lite から対象ということで、開発には LISP を使っているのでしょうか?

🧑高橋氏: はい、LISP で開発をしています。BricsCAD の LISP は非常に高速に動作するのがすごいと感じています。AutoCAD で使いたいというお客様がいるので、LISP で点を取り込む機能を AutoCADで動作させてみたら BricsCAD では数秒で終わる処理が AutoCAD だと30秒以上、20倍くらい遅くなってしまいました。お客様には、使えるけど遅いよと言わなくてはならない状況になったりしています。

Bricsys の LISP は AutoCAD の AutoLISP API と高い互換性があるため、一つのソースで両方の CAD で動くようなアプリの開発も可能です。

補足:中の人

👨‍💼中の人: 確かに BricsCAD の LISP はモダンな実装で改良されていてロード時にコードの最適化が行われたりするので、BRX まではいかないまでもとても早く動作するのですが、中々実例を聞く機会がないので参考になります。

GEOPAX の名前の由来と製品構成

👨‍💼中の人: アプリの名前がユニークですがどういった意味があるのでしょう?

🧑高橋氏: 土木のツールということで、大地(GEO)とご時世的に平和(PAX)の意味が込められています。また、GEOPAX を基本機能に加えて複数のパック製品があることから(Packs)とも掛けています。

👨‍💼中の人:確かにアプリカタログには、「POINT PACK」「DRAW PACK」「CIVIL PACK」の3つが記載されていましたね。パック製品はまだリリースされていないようですが、いつ頃のリリースを予定しているのでしょうか?

🧑高橋氏: 数ヶ月中にすべてのパック製品をリリースする予定です。

👨‍💼中の人:それは楽しみですね。土木向けのツールというと、縦・横断や線形の図面作成、細かなところで法面の作成などが思い浮かびますが、それらの機能は各パックのなかでサポートされるということでしょうか?

🧑高橋氏: はい、有償のパック製品でカバーする形で考えています。横断図の作成機能はリリース時点で「CIVIL PACK」に入る予定です。今後、土木で必須の土量計算機能を「CIVIL PACK」に、3Dポリラインのオフセット機能や文字検索・置換の機能を「DRAW PACK」に追加する予定です。法面の作図や、縦断図や線形図は、優先順位を付けて検討したいと考えています。

👨‍💼中の人: 現場のことをわかっている人が開発するのはユーザ目線で見ると心強いのではないかと思います。GEOPAX の開発には実際 どの程度かかっているのでしょうか?その他のパック製品と合わせて開発されているのですか?

🧑高橋氏: 他の業務をやりながらなのですが、開発中のパック製品と合わせて1年程かかっています。

お勧めの構成

👨‍💼中の人: おすすめの構成や導入ケースを教えてください。

🧑高橋氏: 「GEOPAX」は無償の基本機能ですので、広く使って頂けます。
有償パックとして「POINT PACK」「DRAW PACK」「CIVIL PACK」をご用意しており、お客様の必要に合わせて構成を選んでいただけるようになります。それぞれのパックの特徴はつぎのとおりです。

  • POINT PACK
    無償機能の「座標点作成」、「座標ファイル読込」で作成した点を活用するための有償パック

  • DRAW PACK
    作図作業をより効率的に行うための有償パック

  • CIVIL PACK
    横断図作成など、より高度な作図作業を効率的に行うための有償パック

👨‍💼中の人:ライセンスはBricsCAD の対応バージョンごとになっているのでしょうか?

🧑高橋氏: いいえ、BricsCADのバージョンは関係なく対応している BricsCAD のバージョンで利用できます。

👨‍💼中の人:BricsCAD のバージョンアップもやりやすくなりますね。BricsCADともども全国の土木現場に広がることを期待したいと思います。
最後に、今後の BricsCAD に期待することはありますか?

🧑高橋氏: 前職の経験から、機械設計のアセンブリとBIMを一緒にできる点は BricsCAD にしかないユニークな点だと感じているので、BIM とメカニカルの事例があると良いのではないかと思います。
 また、点群を気軽に扱える点もユニークなので、ライカジオシステムズの測量機器とのコラボレーションや点群を編集するデシメーションやメッシュの変更機能などの付加機能が強化されてくることを期待したいと思います。

Bricsys は2018年に Hexagon社の傘下企業となりましたが、同じく傘下企業であるライカジオシステムズ社は同じグループに属しています。

補足:中の人

👨‍💼中の人: 確かに製造と建築・建設・土木をシームレスに繋げて設計・製造を進められる製品として BricsCAD は非常にユニークな製品です。すでに大規模にBIMと製造を繋げるような形で活用されている企業様もいらっしゃるのでそれらの事例を出せるように頑張りたいと思います。
本日はありがとうございました。

参考:Bricsys の導入事例ページ


📘 アプリケーション情報

※ 環境や価格は本記事掲載時点でのものになります。

アプリの対応環境

  • 対応OS: Windows 10、Windows11

  • 対応 BricsCAD: BricsCAD V14〜V23 (Lite/Classic 以上)

  • 対応言語 : 日本語、英語

製品価格

  • 基本機能: 無償

  • POINT PACK:¥50,000.-

  • DRAW PACK:¥100,000.-

  • CIVIL PACK:¥200,000.-

※ ご購入についてはアプリメーカー様にお問い合わせください。

アプリについての問い合わせ先 


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