「BricsCAD® アドオンアプリの中の人に聞く!」シリーズ:AMPS Built-in(アンプス・ビルトイン)編
みなさんこんにちは、「BricsCAD(Bricsys)の中の人」です。
本記事は、Bricsys のアプリカタログに登録されている日本語対応アドオンアプリから、「アドオンアプリの中の人に聞く!」シリーズと題しまして、アプリの特徴や開発でこだわった点などについてインタビューしたものを紹介します。
DWG で 2D/3D どちらの設計もいけるワンプラットフォームな BricsCAD を活用して仕事の生産性アップのきっかけとなれば幸いです。
📄 要約
紹介するBricsCAD アプリと中の人
アプリ名: AMPS Built-in(アンプス・ビルトイン)
✨アプリの中の人✨
🎤インタビュアー🎤
アプリの内容と特徴
👨💼中の人: 本日はよろしくお願いします。
早速ですが、「AMPS Built-in(アンプス・ビルトイン)」はどのような内容のアプリケーションなのでしょうか?
🧑石川氏: AMPS Built-in(以下、AMPS)は、AMPS technologies社が開発した、「BricsCADに完全組み込みされた CAE ツールであること」が最大の特徴です。設計者が BricsCAD上で設計したモデルを CADの中で解析して形状の良し悪しを確認でき、その場ですぐに修正できるので設計PDCAを回すために最適な製品といえます。
その他も合わせてリストにすると次のようになります。
BricsCADに組み込まれたCAEであること
熱-流体-構造の連成計算が可能であること
強力な非線形計算機能を搭載していること
直感的に使えるGUIを備えていること
CAE界の価格破壊者的な価格設定であること
👨💼中の人: BricsCAD の中で動作するという点がユニークなところですね。ツール間を行き来せずに解析できるのは、面倒なわずらわしさがなくてわかりやすそうです。CAE というと、自動車での強度確認などで利用される印象が強いのですが、どの業界で利用されることを想定しているといったことはあるのでしょうか?
🧑石川氏: 一番多いのは機械設計ですが、特定の業種向けに制限しているというのはありません。CAE は1970年代頃からロケットの開発、航空業界、自動車業界と命に関わるものづくりから広がって来ていますが、AMPS ですとキヤノン、ソニー、オリンパス などの国内のカメラメーカー様などにもご利用頂いています。
👨💼中の人:解析というと難しいイメージがありましたが、設計者が解析しながら設計することが身近になってきているのですね。特徴の中にある連成計算というのは、複数の解析を行えるということでいいですか?
🧑石川氏:はい、そのとおりです。熱計算と構造計算を一つのステップで行うといったことが連成計算(連成解析)です。
AMPS は、リリース当初から連成計算できる点が特徴となっています。
👨💼中の人: 解析では磁性の解析もあると思いますが AMPS でそちらの解析もできるのでしょうか?
🧑石川氏:AMPS で電磁場解析もできます。ただ、日本市場では機能要求が高く、機能が不足していると考えているため特に推すことはしていません。
👨💼中の人:なるほど、市場ニーズにマッチしているか判断したわけですね。最近ですと、建材で CLT などによる高層木造なども出てきているので建築での構造計算でも重要度が増してきていそうですが、そのあたりはどうでしょうか?
🧑石川氏: 建築の方面でも CADで作ったモデルをきちんと素材を適用した形で作製して AMPS で解析するという流れで利用できます。建築では簡素化されたモデルで見なしの解析をされることも多いかもしれませんが、BricsCAD は3D性能が高いので、詳細なモデルに対して AMPS が真面目に計算してハイエンド製品での解析に非常に近い解析を行うことが出来ます。
このような形で解析できるのは Bricsys社 と AMPS technologies社、双方の高い開発力がなければ出来なかった内容だと考えています。
👨💼中の人: BricsCAD はワン・プラットフォームとしてベースとなる部分の機能・性能の開発も活発に行なわれていますので AMPS のようなアプリケーションが BricsCAD 上で性能を発揮していただけるのは嬉しいですね。
次に、「CAE界の価格破壊者的な価格設定」という点についてですが、解析の製品ですと、一般的にどの程度の費用感になるのでしょうか?
🧑石川氏: 色々とありますが大体一揃えすると線形解析で100万以上、非線形解析だと200万以上する製品が多いです。AMPS は、もともとハイエンド製品として始まったのですが、2017年にハイエンド以下の製品として AMPS Designer が開発され、その後ヨーロッパの方で BricsCAD版ができ、日本語の対応もやることになった経緯があります。
それにより設計者であっても非線形解析ができるようになったのですが、「AMPS Built-in」はその流れで導入しやすい価格と構成になっています。
👨💼中の人:なるほど、ハイエンドからの派生なのでしっかりとしたベースに基づいた解析ができる製品なのですね。
🧑石川氏: はい。価格が安くよく使われる機能が使える入門向けの 「AMPS Built-in Linear」(税別60万円)から初めて、アップグレードは差額でいい形になっているので習熟度に合わせて徐々に上位の製品に移行する。といったことがやりやすくなっています。
👨💼中の人: 敷居が低いところから導入してステップアップしやすいのはいいですね。低価格帯でいうと、Autodesk®社の Fusion 360 でも解析ができると聞いていますが競合になるのでしょうか?
🧑石川氏: たしかに Fusion 360 でも解析は行なえます。ただ、機能はあってもサポートがない状態なので、CAE 未経験の方が使うのは困難ではないかと思います。
👨💼中の人:すでに CAE がわかってる人でないと使うのが難しいということですか?
🧑石川氏: はい、そうです。その点 AMPS は弊社で日本でのサポートを提供していて、場合によっては簡易的なコンサルのようなこともやることがありますので、問い合わせ先・相談先として CAEに馴染みのない方でも安心して使い始められます。
👨💼中の人: CAE のようなツールは使い始めから軌道に乗せるところまでが難しいところだと思います。ツールを導入しても結局使いこなせずに終わってしまったというケースを数多く見てきましたので、スタート時のサポートがあるのは心強いですね。
解析というと、PC のスペックが高くないと動かないイメージなのですが、どのような感じでしょうか?
🧑石川氏: 要求するPCスペックは、CPUは 64bit で8コア以上、最低16GB からです。解析内容によって検討していく感じになりますが、RAM がたくさんあると複数の解析を同時行えるのでお勧めです。帰り際にまとめて解析をはじめておいて朝出社したら結果が出ているというようなことができます。
👨💼中の人: 小さめのものであればそこまで高いスペックでなくても実用的に使えそうですね。夜間に処理させておくというのは、だいぶ昔に 3DCGのレンダリングで似たようなことをやっていたのを思い出しました。
🧰お勧めの構成
👨💼中の人: おすすめの構成を教えてください。
🧑石川氏:AMPS は用途に合わせて以下のような構成で、すべて BricsCAD Pro で動作します。
AMPS Built-in Linear: 手軽に使えるCAE入門的製品
AMPS Built-in Standard: 一般的な線形計算機能を網羅した製品
AMPS Built-in Advanced: 非線形計算機能まで網羅した製品
👨💼中の人:一番多い利用ケースはどのような使い方なのでしょう?
🧑石川氏: 一番多いのは AMPS Built-in Standard でもできる熱解析になるでしょうか。設計に解析のフローを導入したことで、「課題を可視化によりいままで手を出さなかった仕事も受注するようになった。」、「結果の見える化されたことで手戻りの減少や仕事の手離れが良くなった」、「CAEによる見える化で新人設計者とベテラン設計者で結果を共有でき、コミュニケーションを促進した。」などの声を頂いています。
👨💼中の人:ベテランの勘が CAE で見える化されることで新人さんの理解度が高まるのは面白いですね。
AMPS のリリースサイクルはどのような感じでしょうか? BricsCADのように年1回のメジャーアップデート?
🧑石川氏:AMPSはマイナーアップデートを1年に一回は行っていています。今年は AMPS 11 を春頃にリリースする予定になっています。バージョンアップは保守に含まれている形です。
👨💼中の人: BricsCAD のシングルライセンスにメンテナンスをつけた状態と似ていますね。動作対応環境を見ると Windows 11 がありませんが、対応は検討されているのでしょうか?
🧑石川氏: 実は現行バージョンでも Windows 11 で動作しているのですが、公式対応は AMPS 11 からになる予定です。
👨💼中の人:最後に今後の BricsCAD に期待することはありますか?
🧑石川氏: AMPS には500種類ほどの材料データベースがあるのですが、今後はBricsCADで設定した材料物性値がそのまま AMPS Built-in にわたるような仕組みができると互いがより便利な存在になるので、ぜひこの機能を実現していただきたいと考えています。また、将来的には、Bricsys のアプリストアへの登録も働きかけてい行きたいです。
👨💼中の人:材料物性値はモデルに BOM 情報として、BIM のコンポーネント情報などに情報を登録して利用できるようにすることで情報を引っ張れるようになると設計中にバックグラウンドで解析を走らせておくみたいなことができるかもしれませんね。
本日はありがとうございました。
📘 アプリケーション情報
アプリの対応環境
対応OS: Windows 10 PRO
対応 BricsCAD: BricsCAD V23 PRO以上
対応言語 : 日本語、英語
製品価格
AMPS Built-in linear: ¥600,000.-
AMPS Built-in Standard: ¥800,000.-
AMPS Built-in Advanced: ¥1,200,000.-
※ 環境や価格(税別)は本記事掲載時点でのものになります。
ご購入についてはアプリメーカー様にお問い合わせください。
アプリについての問い合わせ先
ウェブサイト:opt-techno.com
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参考記事
・開発者登録
・アプリケーションカタログへの登録
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