BricsCAD®のデータ互換性シリーズ 「DWG・DXF の対応」
BricsCAD® の標準図面ファイル形式は、DWG または DXFファイルとなっています。DWG® という名称は 米国 Autodesk®社の登録商標として登録されていて AutoCAD® の標準フォーマットでもあります。
歴史的な背景から 2004形式以降の .dwgファイルに埋め込まれるようになった透かし情報は変更しないスタイルになっていますが、DWGファイルの構造自体は、エンジニアリング設計データの自由なアクセスと交換をビジョンに持つ Open Design Alliance(Bricsys は創立メンバーの一つで協力関係にあります。)によって安全に解析され、"100年コミットメント" という非常に長期的な視点で対応されているため、データを適切に作成・編集することができる環境になっています。
もうひとつの DXF ファイルは、図面ファイルの情報をタグ付きデータとして表現するファイルフォーマットで、一部のデータを除き基本的にはすべてのデータを表現することができる図面ファイルです。
通常はテキスト形式になっているファイルとして読み書きされることが多いですが、精度やファイル容量的に優位なバイナリタイプの DXF ファイルもあります。BricsCAD はどちらのタイプも扱えるようになっています。
データ保守性という面で、極論すると BricsCAD やその他の CAD が無くなってしまったとしても .dwgファイルを扱えるソフトウェアは存在しえるので、ソフトメーカーが無くなってしまったためにデータ資産を活用できないケースに陥る可能性は極限の低さであるといえます。
PDF ファイルのように国際規格化されオープンな形式になっていない、クローズな形式でここまで安心できるファイル形式はとても稀です。
前置きが長くなりましたが、BricsCAD はそんなDWG / DXF のファイル形式を標準フォーマットとして採用していて、ファイルの構造・特性を最大限活かす形のソフトウェアになっているので、安心してご利用いただけます。
対応しているバージョン
DWG、DXFファイルは、拡張子がそれぞれ .dwg, .dxf となりますが、同じ拡張子のファイルでもバージョンがあります。
現行の BricsCAD V24 で対応している DWG,DXF のファイルは次のようになっています。
DWG形式のバージョン
2018/LT2018形式 : BricsCAD V18 ~対応
2013/LT2013形式 : BricsCAD V13 ~対応
2010/LT2010形式 : BricsCAD V10 ~対応
2007/LT2007形式 : BricsCAD V9 ~対応
2004/LT2004形式 : BricsCAD V9 ~対応
2000/LT2000形式 : これ以下は BricsCAD V8以前 ~対応
R14/LT98/LT97形式
R13/LT95形式
R11/R12形式
R10形式
DXF形式(ASCII/バイナリ共)のバージョン
対応した時期は DWG形式と同じです。
2018/LT2018形式
2013/LT2013形式
2010/LT2010形式
2007/LT2007形式
2004/LT2004形式
2000/LT2000形式
R14/LT98/LT97形式
R13/LT95形式
R11/R12形式
R10形式
R9形式
現在最新のバージョンが、2018/LT2018形式なので、最新のバージョンからかなり古いバージョンまで対応していて、開くだけでなく、保存もできる点が特徴的といえます。
注意が必要なバージョン
古いバージョンで保存する際に注意しておいた方がいい内容があります。比較的新しいバージョンの形式で追加された図形や情報の入っているファイルを古いバージョンで保存すると、そのバージョンで扱えない図形は扱える図形に変換されます。
「ラウンドトリップで保存」という設定が有効になっているので、新しいバージョンを扱える CAD で開いた場合は問題になりにくいのですが、古いバージョンしか扱えない CADで開くと変更された状態で開かれることになります。
中の人の経験則としては、「R13/LT95 形式」はデータ構造や文字の規格が整備されていない過渡期だったので、出来れば利用を避けたい形式です。
その他に、データ上の文字の扱いがユニコード化されて大きく変わった 2007/LT2007 形式より前のバージョンと以降のバージョンでやる取りする場合、文字部分に問題がないか注意しておくと間違いがありません。
今のところ、中の人は見かけていませんが日本語の場合、SHIFT-JIS にはない文字がユニコードにはあったりするので、バージョンの新旧で相互変換すると、うまく変換されないレアケースが残っている可能性もなきにしもあらずなためです。
拡張性のあるフォーマット
細かな話ですが、.dwg ファイルは仕様として拡張性を持っているファイル形式です。近年は、製品のバージョンが新しくなってもファイルのバージョンは変わらないという傾向が強くなってきていますが、この拡張性によって細かな改良はファイルバージョンを変える程でもないという事が言えるかもしれません。
autodesk社の製品では AutoCAD の Architecture、Civil 3D、Mechanical や、Revit などのネイティブフォーマットが .dwg ではない CADから書き出された .dwgファイル、BricsysCAD の製品としては、BIM や Mechanicalの他、Pro に付いている Civil Tool などは拡張性を活用しています。
これらの製品では拡張されたカスタムオブジェクトと機能を連携させることで、より高度で使いやすい形を実現しています。
ただし、カスタムオブジェクトを含んだ .dwg ファイルはその拡張データ部分を適切に扱う必要があり、扱えない環境の場合は プロキシ (proxy) データという形で保護されるようになっています。
プロキシデータは、よそからもらったデータを扱う事が多い方は一度は目にしたことがあるのではないかと思います。BricsCAD にプロキシデータがあった場合にどういう風に扱うか設定があり、プロキシデータ部分を表示しないようにしてより安全に保護するといった設定も行えます。
BricsCAD は、AutoCAD の Civil3D や Architecture、Mechanical の拡張データについても、(一部)対応しているため、拡張されている .dwg ファイルもデータの価値を維持しつつ扱うことができます。
対応している範囲はバージョンを重ねるごとに増えてきていて、このようなデータへの対応についても精力的に開発が続いていますので、上記のソリューション製品で作ったデータで、うまく開かなかったというケースに遭遇した場合は、サポートリクエストにデータ付きで投げてもらうと、開発の検討材料になります。
AutoCAD Mechanical の DWGファイル
汎用CAD製品でプロキシデータになる代表例として、AutoCAD® Mechanical (Mechanical 2D)の DWGファイルがあります。
機械設計向けの製品である『BricsCAD Mechanical』ではこのDWGデータへの対応も強化していて V23 からは標準的に Proxyデータではない編集可能なデータとして利用できるようになり、V24ではよく利用されるデータについては互換が取れる状態になるなどアップデートで強化されてきています。
オプション設定には、通常の DWGファイルとは別に Mechanical 2D の保存形式を指定する項目があります。
汎用のDWGとは異なり、Mechanicalのバージョンに合わせて細かく形式を選ぶ形になっています。
DWT(テンプレート)、DWS(CAD標準) ファイルも利用できます。
DWG、DXFとは別に似たような形式で、.dwt, .dws という拡張子のファイルがあります。DWTは新規作成の雛形になるテンプレートファイル、DWSファイルは、作図中の図面ファイルに対してルールに従った設定になっているかをチェックするためのCAD標準機能の設定用ファイルです。BricsCADでは、どちらのファイルも活用できるようになっています。
以上、BricsCAD のネイティブファイルである DWG・DXF の対応状況について解説をしました。
アクティブユーザ数から考えると、少な目で見積もっても年間億単位の図面シートが BricsCAD 上で作成・編集・出力されているはずで、その土台となる図面ファイルの品質は継続的に改善され続けています。体験版等で確認していただければ、問題ないことを実感していただけると思います。
では、良い CADライフを!👍
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