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BricsCAD V22.2 の更新点:その1

 BricsCAD は、メジャーアップデート(いわゆるバージョンアップ)とは別に、マイナーアップデートを隔月くらいの間隔で行っています。日本語版は翻訳の関係で飛び飛びで提供されていますが、マイナーアップデートなので、不具合の修正だけかなと思いきや新しい機能が追加されることもあります。

 現行の最新バージョンは2021年11月にリリースされた V22 ですが、2022年5月23日に V22.2.04 というマイナーアップデートがリリースされました。アップデート内容はリリースノートにとても細かく載っているので、そちらを確認してもらっても良いのですが、リリースノートは文章のみでわかりにくいところもあると思いますので、今回から数回に分けて日本のユーザ目線で関連が高そうな内容をピックアップして少し掘り下げた形で更新内容を紹介していこうと思います。

まずは、すべての製品に関連した基本となる機能の強化点を紹介します。
BricsCAD のリリースノートでは、「Improvements to BricsCAD Core」にまとめられている部分になります。

基本的な作成・編集の強化点

BricsCAD Lite でブール演算(和算、減算、交差)対応

LITE でもブール演算(和算、減算、交差) の機能が利用可能になりました。
これにより、LITE グレードで穴のあるリージョンを作成できるようになるので、マスプロパティコマンドと合わせてオブジェクトの慣性モーメント情報を出すことが LITE だけで完結できるようになります!😆

マスプロパティ結果のイメージ
配管断面っぽいリージョンのマスプロパティ情報

Extfont2.shx の互換性向上

 日本で作成される図面でよく利用される JISの第2水準までの文字が定義されている extfont2.shx のフォントがあります。BricsCAD に搭載されているフォントは、同じ名前ですが、他のCAD に搭載されているものと異なるの独自制作されたものとなるため、厳格に比較をすると小さな差があります。
(絶対フォント感を持っていたら気がつくかもしれません。😅)
 このフォントが V22.2.03 でアップデートされ、ASCIIフォントとの組み合わせによる細かな差が解消されました。具体的には半角スペースの文字幅が AutoCAD で表示される時と同じ様になるように更新されています。

左からV22.2.03以前、V22.2.03、AutoCAD 2023 の順で表示している例
V22.2.03、AutoCADで幅の差がなくなっていることがわかります。

 そのため、V22.2.03 以前のバージョンで作成した図面では、半角スペース幅が若干広がるケースがありますのでご注意ください。

スプラインフィットした3Dポリラインのグリップ編集対応

3D ポリラインをポリライン編集コマンドでスプラインに変換した図形がグリップから編集できていなかったのですが、それが編集できるようになりました。ライトウェイトポリラインは以前から出来ていたので、3D ポリラインも同じように編集できることになります。

フィットスプライン編集中イメージ
グリップ編集中の3D ポリライン

BLOCKIFY コマンドの強化

 BLOCKIFY コマンドのワークフローが強化されて、新規にブロック化される場合に同一オブジェクトがハイライトされるようになりました。これによりいきなり機械的に付けられる名前でブロック化されていたものが、変換されるエンティティを視覚的に確認しながら名前を付けられるようになったので、より便利に使えるようになります。

ブロックを置換コマンドが、パラメトリックブロックをサポート

 BricsCAD にはダイナミックブロックと似たようなパラメトリックブロックというものがあるのですが、「ブロックを置換(_BLOCKREPLACE)」コマンドでそのブロックもの置換対象としてサポートされて保持できるようになりました。ただでさえデータ整理に強力な威力を発揮するコマンドが、さらに強力な機能になっています。

ダイアログボックスにオプションが増えてます。

.OBJ ファイルに対応

 3D のモデルデータとしてよく使われている、.OBJ ファイルをネイティブエンティティとしてインポートできるようになりました。

ファイルダイアログイメージ
挿入ダイアログのファイルの種類で選択できます

ブロック編集と参照ファイル編集コマンド中の可視性の変更

 BricsCAD には、作図中にレイヤーの ON/OFF とは別に図形の表示をON/OFF できる機能があります。HIDEOBJECTS / ISOLATEOBJECTS / UNISOLATEOBJECTS の3コマンドになるのですが、このコマンドがブロックエディタ(BEDIT)と ブロック参照編集(REFEDIT)の編集中にも使えるようになりました。
編集中のみ有効な変更になるのでレイヤーの状態を変えずに一部の図形を非表示にして編集が行えるので便利になります。

マルチ引出線でフィールドが使いやすく

 マルチ引き出し線の矢印を移動した際に、マルチ引き出し線のフィールドが更新されるようになりました。これにより、フィールドで図形のプロパティを指定しているようなときに、再描画などでフィールドのアップデートをかけるケースが減ります。

引出線編集イメージ
更新されるのは矢印先ではなく元を移動した時のみのようです

新しいテーブルセル書式設定ダイアログの導入

セルの書式設定ダイアログが導入されて使えるようになりました。

表のセルの書式ボタンから使えます


QRコード(2次元バーコード)のサポート

 QRTEXT コマンドと QRLEADER コマンドが追加されました。このコマンドを使って文字入力すると、QRコードイメージに変換されて表示されます。当然ですが日本語情報も含められます。
 作成後に変更もできますので、図枠に変更履歴を記載した QRコードを載せておくといった使い方もやりやすくなります。

QRコードイメージ
QRTEXTコマンドで作成したQRコードとプロパティ

ということで、今回はコア機能のアップデート内容についてまとめました。
リリースノートに記載されているより細かな点について聞きたいことがあれば、お問い合わせください。

次回は、パフォーマンスとインターフェス周りの改善について紹介します。

体験版でおためし

 BricsCAD を体験してみたくなったら、無料体験版を使ってみましょう。
ダウンロードの仕方は、こちらの記事ごらんください。

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