BricsCAD®のデータ互換性シリーズ 「図形の色」
BricsCAD 中で図面データに対して色を設定するところはいくつかありますが、一番頻度が高いのは図形に設定する色ではないかと思います。
図形の色の扱いは .dwg データ互換を考慮する関係で一般的なデザイン系のソフトウェアと異なる部分がありますので、その辺りも含めて解説します。
図形データ上の色の種類
図形に対して割り当てる色の種類は、大きく次の3種類があります。
インデックスカラー
TrueColor
カラーブック
それそれの種類について解説します。
インデックスカラー
インデックスカラーは、0から256までの番号に色が割り振られている色設定です。AutoCAD® において ACIカラーと呼ばれているものと同様のものになります。
インデックスカラーのうち、0、7、256番の色は特殊な色設定で次のような意味や動作になります。
0:画層による(Bylayer)。画層に設定された色に従います。
7:背景の明るさに合わせて白色または黒色に自動で切り替わる色です。
256:ブロックによる(ByBlock)。(ブロック内図形の場合)ブロックの色設定に従います。
TrueColor
TrueColor はCAD以外でも広く使われている一般的な色の設定になります。
光の3原色である Red, Green, Blue をそれぞれ256段階で混色をして1677万色の色で表示する色設定です。
RGB:000は黒、RGB:255,255,255は白になり、こちらは、インデックスカラーと異なり背景色によって色が切り替わることはありません。
他のCADから書き出されたデータで、線が見えない状態になっているのを調べたら TrueColor になっていたからというケースは、CADオペさんあるあるで遭遇する点かもしれません。
色の設定は、TrueColor のダイアログに表示されるカラーパレットをクリックして設定しますが、ダイアログの右側に表示されている RGB、HSL(色、鮮やかさ、明度)とウェブサイト作成時の CSS でよく使われる16進数の色コード (ex. #ffffff )で数値での指定も可能になっています。
尚、色の透過設定については、色ではなく図形の透過性として設定・管理されます。
カラーブック
カラーブックは、基本的には TrueColor と同じ種類なのですが、特定の色値に名前をつけてカタログ化しておき、色を選択できるようになっているものです。Adobe® のイラストレータなどのデザイン系ソフトを使ったことがある方であれば、「カラーパレット」に相当するものになります。
BricsCADでは、標準のカラーブックが提供されていないので、他の CAD で作成したカラーブック(.acb)を流用するか、新規に作成する必要があります。カラーブックの作成・編集は以下のサイトで可能になっています。
また、カラーブック(.acb)ファイルは割りとシンプルなXMLフォーマットのテキストですので、エディタで書いて作成することもできます。
なお、カラーブックファイルの中には権利の関係からかデータが秘匿化されているものがあります。BricsCADでこのようなファイルを利用した場合は、正常に再現されませんのでご注意ください。
以上、BricsCAD の図形の色について解説をいたしました。
dwg ファイルで図形に割り当てられている色データは、画層やブロック定義との関連した部分や印刷の設定などと連携する部分などの複雑性がありますが、その点について BricsCAD は問題なく扱えるようになっています。
図形の見た目表現でいうと、図形の色設定の他に3Dのマテリアルや透過性設定といったものもありますが、それらについては別の記事で解説することもあるかもしれません。
では、よいCADライフを!😊