BricsCAD®のレジストリ構造
BricsCAD をカスタマイズする場合や、BricsCAD 向けのアプリケーションを提供することを考えた時に、Windows 上で環境構築をするためにレジストリを参照したり、値を設定したりすることがあるかと思います。
BricsCADも当然のごとく、レジストリが活用されていますので、BricsCAD のレジストリ構造がどうなっているか分かっていると、開発が行いやすくなる面もありますので、この記事では BricsCAD のレジストリ構造がどのような形で構成されているかを解説します。
BricsCADの対応言語
BricsCAD は V24 の時点で 14ヶ国語に対応しています。プログラムの構成としては、各言語ごとに異なるフォルダにインストールする形が取られています。そのため、日本語版と英語版、スペイン語版などを切り替えではなく並列でインストールして実行することも可能です。
対応言語は、言語と国をそれぞれ2文字で組み合わせた名前になっていて、日本語なら "ja_JP"、英語なら "en_US"、スペイン語なら "es_ES" といった具合で ”言語‗国” という形になっています。
言語は小文字、国は大文字で表わされます。
レジストリの内容
レジストリはツリー構造で表されますが、BricsCAD がレジストリに書き込んだり読み込んだりするものはすべて、最初にメジャーバージョン(V23、V24など)があり、次に言語、その下に細かな内容という形になっています。
その他に、いろいろな状況判断に利用可能な内容は次のとおりです。
"Vx"はバージョン、"Lang" は前述の対応言語名で読み替えます。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Bricsys\BricsCAD の CURVER 値は最近使用された BricsCAD のメジャーバージョンの値です。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Bricsys\BricsCAD\Vx の CURVER 値はBricsCAD Vxで最近使用された言語の値です。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Bricsys\BricsCAD\Vx の CURVER 値は BricsCAD Vxで最近インストールされた言語の値です。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Bricsys\BricsCAD\Vx\Lang の配下にはその言語の全てのユーザー設定とプロファイルがあります。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Bricsys\BricsCAD\Vx\Lang\Profiles の CurProfile 値は最近使用されたプロファイルの値です。(初期値はDefault)
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Bricsys\Bricscad\Vx\Lang の配下には、その言語の全てのインストール情報があります。
開発に慣れている方には自明だと思いますが、CURRENT_USER と LOCAL_MACHINE の違いに注意してください。
参考記事: microsoft.com : Windowsレジストリ / ASCII.jp:Windowsの設定を保存するレジストリの構造を分析するI
対応言語の種類
BricsCAD V24 時点で使用可能な言語のリストは次のとおりです。
cs_CZ : チェコ語
de_DE :ドイツ語
en_US :英語
es_ES :スペイン語
fr_FR :フランス語
it_IT :イタリア語
ja_JP :日本語
ko_KR :韓国語
lt_LT :リトアニア語
pl_PL:ポーランド語
pt_BR :ポルトガル語
ro_RO : ルーマニア語
ru_RU :ロシア語
zh_CN : 中国語(簡体字)
zh_TW : 中国語(繁体字)
以上、BricsCAD のレジストリ構造について解説しました。
BricsCAD でのカスタマイズの参考になれば幸いです。
では、よいCADライフを!📢